他の映画に登場しすぎな映画「ブレックファスト・クラブ」のスゴさを知ってほしい【にどねシネマ】

2020/11/12

にどね 男飲み映画レビュー

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映画はオマージュがたくさん出てきます。
レディプレイヤー1はやりすぎですけど。

「オマージュとして扱われることが多い作品」というものがあります。

そういった作品は一種のエポックメイキングなわけで、
今となっては当たり前な新しい表現やジャンルを築いた作品です。
だから、少し前の映画作品が多いですけどね。

たまには、そういう目線で観る映画を決めるのも面白いですし、
いざ別の作品でオマージュが出てきたときに「わかるぞ!」ってなれます。

今回はそんなチョイスで「ブレックファスト・クラブ」という映画の話をしましょう。
にどね、今日は語ります。

目次

珍しすぎる引っ張りだこな映画

ブレックファスト・クラブは1985年に公開された映画ですが、
最近の映画・ドラマ作品にも度々オマージュが登場します。

一番有名なのは「ピッチ・パーフェクト」です。
まさにブレックファスト・クラブという映画が劇中に登場し、物語のキーになります。

「バンブルビー」にもブレックファスト・クラブが引用されています。
本作に出てくるポーズを真似するバンブルビーかわいい。


両作品とも本作最後のガッツポーズのシーンがしっかり登場しています。
そのポーズの意味合いや文脈を、本作を観ることで事前に知っておくと
より両作品を楽しめるかもしれませんね!

あからさまに登場している作品はその2作品しか知らないですが、
世界観(セットのデザインや服装、シーン)は、
Netflixオリジナルの「セックス・エデュケーション」や「ノット・オーケー」にも
多分に反映されています。

っていうか、ハリウッドの学園モノ映画の大半に
ブレックファスト・クラブの香りを探し出せるんじゃないかってくらい
本当にたくさんの作品に影響を与えまくった映画なのです。

学園映画のレジェンド「ジョン・ヒューズ」

そんな偉大な本作の監督はジョン・ヒューズ。

日本ではめちゃくちゃ有名というわけでもないですが、
アメリカ映画での学園モノの創始ともいうべき映画監督です。
洋画好きの人なら知っている!という人も多いかもしれませんね。
実はホーム・アローンシリーズの脚本も書いてます。

ブレックファスト・クラブもジョン・ヒューズお得意の学園モノ映画です。

ちなみに、ジョン・ヒューズ監督作品では、
「フェリスある朝突然に」もとても良くオマージュされる学園モノ映画です。
「デッドプール」や「スパーダーマン: ホームカミング」、「ブックスマート」など
最近のヒット作にも度々登場しています。

「自分とはなにか」から始まるブレックファスト・クラブ

物語は、

  • クレア(クラスのマドンナ的ポジション)
  • ジョン(やんちゃな不良)」
  • アンドリュー(イケメンスポーツマン)
  • ブライアン(真面目系勉強できる秀才)
  • アリソン(不思議ちゃん)

の5人がブレックファスト・クラブ(休校日の補講)に集められるところから始まります。

彼らは先生から「自分とはなにか」という作文を書けと言われ、
図書室に彼らだけ残されるのですが、
全員素直に課題に取り組むわけもなく、いろいろなことが起こっていきます。


学校の中で彼らが会話をしたりふざけたりしているだけですが、
不思議と引き込まれていくのが本作の魅力。

特に5人はお互いのことをあまり知らず、
噂や外見などの情報からお互いを探るところから会話がスタートします。

序盤は本当に会話ばかりなので、
人によっては退屈になるかもしれないですが、
思春期特有の互いに緊張感ある空気はちょっとドキドキします。笑

映画を観ている人たちも同じだけの情報しかしらないので、
時には登場人物のセリフに共感したり、意外性におどろいたり…

最後に彼らが導き出す課題への答え、観てみてほしいなあ。

80年代に築かれた学園モノの定番

これが革新的な作品だったの?と思うかもしれないですが、
学園モノで登場人物間のスクールカーストを明確に描いたこと、
これが決定的に後の学園モノ映画に影響を与えたとよく云われます。

陽キャとか陰キャとか、
なんとなく似たような雰囲気の人同士でつるむ感じ。
別にいじめとかまでは行かないけど、カースト間に距離感がある感じ。

本作なら陽キャはやんちゃなジョンやスポーツマンのアンドリュー、
陰キャは真面目なブライアンや不思議なアリソン。
明らかにそれぞれのカースト間に距離感があるように描かれます。

(そもそも、ジョンはやんちゃ過ぎて最初は全員からドン引きされてますけど。。。)

2020年代にはとっくに当たり前な要素ですが、
当時それをしっかり描いて、それが物語の進行や面白さに直結させた点が
後発の作品にとって大きな意味を持ちました。

だからこそ敬意を込めて、
ブレックファスト・クラブ自体を引用したり、世界観を借りてきたり、
人物間の構造や主題を持ってきたりされているのだと思います。

オマージュという視点でいつもと違う映画を楽しんでみる?

何も知らずに観てしまうと、
今ではなんだか凡庸で少し退屈な作品に見えてしまうかもしれませんが、
こういった背景を知ってみると同じシーンでも
読み取れる情報や感じる印象は大きく変わってくるのではないでしょうか。

オマージュから昔の映画の凄さを感じる映画の観方、たまにはどうしょう?
映画というエンタメの奥深さに触れてみてください!

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